2027年「スペイン美食首都」に選ばれたカナリア諸島テネリフェ島

火山の島に息づく、食とワインの魅力

2026年9月、カナリア諸島から嬉しいニュースが届きました。

カナリア諸島テネリフェ島の州都 サンタ・クルス・デ・テネリフェ(Santa Cruz de Tenerife)が、2027年の「Capital Española de la Gastronomía(スペイン美食首都)」に選出されました。

2012年に始まったこの称号は、その土地ならではの料理や食文化を守り、発信するスペインの都市に毎年贈られるもの。
これまでログローニョ、ブルゴス、トレド、レオン、オビエド、アリカンテなどが選ばれ、2026年はシェリーの街ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ。
そして2027年、初めてカナリア諸島の都市が選ばれます。

サンタ・クルス・デ・テネリフェは審査員の全会一致で選出され、2027年には年間を通して137もの食にまつわるイベントが予定されているそうです。

私たちがワインを通して何度も訪れ、そのたびに魅了されてきたテネリフェ島。

この島を知ると、今回の選出にも納得させられます。

東京都ほどの島に、富士山とほぼ同じ高さの山

スペイン本土から遠く離れ、アフリカ大陸の西、大西洋に浮かぶカナリア諸島。

その中で最大の島がテネリフェ島です。
面積は約2,034㎢。東京都とほぼ同じ大きさです。

そして島の中央には、標高約3,715mのスペイン最高峰 テイデ山(Pico del Teide)がそびえています。
富士山は3,776mですから、その差はわずか60mほど。

東京都ほどの島のど真ん中に、富士山とほぼ同じ高さの山があると考えると、テネリフェ島のダイナミックな地形をイメージしやすいかもしれません。

海岸から山へ一気に標高が上がる急峻な地形に、火山性土壌、大西洋から吹く風、貿易風、雲、雨、斜面の向きなどが重なり、小さな島の中に驚くほど多様な気候が生まれています。

この自然環境が、テネリフェならではの食材やワインの個性にもつながっています。

火山の島、テネリフェ島の食卓

テネリフェでは、その土地で採れたものを生かした、素朴で力強い料理にたくさん出会います。

代表的なのが、小ぶりのジャガイモを皮ごと塩茹でしたPapas Arrugadas(パパス・アルガーダス)。ニンニクやスパイスなどから作る赤や緑のMojo(モホ)ソースを添えて食べる、カナリア諸島を代表する料理です。

島を囲む大西洋から獲れる魚介類、山羊のチーズ、肉料理、そしてスペインによる征服以前から食べられてきた炒り穀物のGofio(ゴフィオ)なども、この土地の食文化には欠かせません。

私たちも2023年5月と2024年8月にテネリフェ島を訪問し、ワイナリーを巡りながらさまざまな島の料理をいただきました。


Papas Arrugadas(パパス・アルガーダス)
直訳すると”しわしわのジャガイモ”です。
カナリア諸島にはさまざまな品種のパパス(じゃがいも)が栽培されていて、市場でもたくさん売られています。


↑サンタ・クルス・デ・テネリフェにある市場 Mercado Nuestra Señora de África(メルカード・ヌエストラ・セニョーラ・デ・アフリカ)には、新鮮な野菜や果物、魚、肉、チーズ、調味料、生花など、ここに来たらなんでも手に入るテネリフェ島を代表する市場です。


Gofio(ゴフィオ)
カナリア諸島の特産品で、主にトウモロコシや小麦、豆類などのでんぷん質の植物から作られる粉末です。栄養価が高いとされ、スープやシチュー、デザートやアイスクリームなど、さまざまな料理に加えられます。
この時食べたものは、塩味のレシピです。お湯を加えて練ったゴフィオ、上に玉ねぎやパクチーが乗っています。
一気に食べると喉が詰まりそうな?ねっとりした質感で、少しずつつまみながらいただきました。

地元の漁師が獲った自魚取扱店、という意味のマーク。


その日に獲れた新鮮な魚介類がショーケースに並びます。

店員さんにおすすめを聞いて選びます。

量り売り。

新鮮な魚を、ビニャティゴ・アッサンブラージュ・ブランコと合わせて。

産地を訪れて、その土地の料理と一緒にワインを飲んでみると、ワインだけを味わっているときには気づかなかったことが見えてきます。

「なぜ、この土地でこの味わいのワインが生まれるのか」。

その答えの一部は、現地の食卓にもあるように感じます。

カナリアワインの中心地・テネリフェ

テネリフェ島は、カナリア諸島の中で最もブドウ畑面積の大きい島です。

島内だけでも5つの原産地呼称が存在し、標高や斜面、火山性土壌、貿易風などの違いによって、場所ごとに異なる個性を持ったワインが造られています。

そして、カナリア諸島はヨーロッパのワイン産地に大きな被害をもたらしたフィロキセラの影響を免れた土地。

現在も自根の古いブドウ樹や、カナリア諸島固有の多様な品種が受け継がれています。

Listán Blanco(リスタン・ブランコ)、Listán Negro(リスタン・ネグロ)、Negramoll(ネグラモル)、Vijariego Negro(ビハリエゴ・ネグロ)など、その名前を聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか。

テネリフェ島の土地をワインに映す、Bodegas Viñátigo

SARA CORPORATIONが日本へ輸入しているBodegas Viñátigo(ボデガス・ビニャティゴ)は、絶滅しかけていたカナリア諸島の固有品種を復活させ、火山のテロワールを追求し続けている造り手です。

彼らが長年取り組んできたことのひとつが、カナリア諸島に残る土着品種を守り、その個性をワインとして次の世代へつないでいくこと。

ボデガス・ビニャティゴのワインを知ると、同じテネリフェ島の中でも、畑によってまったく異なる表情があることに驚かされます。

海に近い畑、標高の高い畑、貿易風と雲の影響を受ける場所、急峻な斜面に残る古いブドウ畑。

そこに、多様な火山性土壌と土着品種が重なります。

魚介やシンプルな魚料理にはListán Blanco。

肉料理や山羊のチーズにはListán NegroやNegramoll。

料理とワインを一緒に味わうと、その両方に共通するテネリフェの風景が少しずつ見えてきます。

一杯のワインから、テネリフェの食卓へ

2027年、「スペイン美食首都」となるサンタ・クルス・デ・テネリフェ。

今回の選出をきっかけに、料理だけでなく、その背景にいる農家や漁師、生産者、料理人、そしてワインを造る人々にも、これまで以上に注目が集まりそうです。

黒い火山の大地、大西洋から吹く風、急峻な斜面、古いブドウ樹、そして島で受け継がれてきた食文化。

ワインを知ることは、その土地を知ること。

2027年の「Capital Española de la Gastronomía」をきっかけに、ぜひボデガス・ビニャティゴのワインとともに、火山の島・テネリフェの食と風景を楽しんでみてください。

生産者ボデガス・ビニャティゴの商品一覧

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