FERRER BOBET

フェレール・ボベ

スペイン/カタルーニャ州プリオラート

スペインワイン界では誰もが一目置く醸造家

ヨーロッパ最高と言われるワイン研究所を持つトーレス社で16年間醸造責任者として活躍しスペインで最も知識、経験を持つ醸造家のラウル・ボベ氏。短所は『完璧主義』というラウル・ボベ氏。今まで培ってきた知識、経験を全て注ぎ込み、エリアはもちろん、スペインを代表するワイナリーとして世界中のスペインワインファンから注目され、多くのワインジャーナリストも大絶賛しています。

醸造家ラウル・ボベ氏

フェレール・ボベは、医薬品ビジネスで成功したセルジ・フェレール・サラ氏とスペインのトップワイナリーのトーレス社で醸造責任者を16年務めた才能豊かな醸造家ラウル・ボベが共同でプリオラートに設立した新たなるワイナリー。できるだけ手を加えない、伝統的なブドウ栽培手法を用いワインを造ります。ブドウ本来の純粋さを引き出し、樽を使いすぎず、素晴らしいポテンシャルのワインをリリースしています。

同ワイナリーの上級キュヴェである「Ferrer Bobet Selecció Especial」は、あの人気ワイン漫画『神の雫』にて、“第11の使徒”として登場し、日本でも一躍その名が広まりました。

(左)醸造家ラウル・ボベ氏、(右)ビジネスパートナーで友人のセルジ・フェレール・サラ氏

彼らが目指すワインは"最もエレガント"なプリオラート

畑は標高400〜600mの急斜面に位置し、プリオラートを象徴するリコレリャ土壌に深く根を張った古樹から、極めて凝縮度の高いブドウを得ています。自然への敬意を込めたサステナブルな栽培と、重力を活かした重層構造の醸造設備によって、繊細さと力強さを併せ持つ唯一無二のワインが生み出されています。

彼らの所有する畑の多くはカリニェナで樹齢100年以上。ラウル・ボベ氏は『カリニェナは肥沃な土地だと、タンニンの強いワインができるが、やせた土地ではテロワールをきれいに表現する素晴らしい品種だ 』とコメントしています。マッチョで濃く強かったプリオラートワインが、今、酸が綺麗なエレガントなワインにトレンドが変わってきています。まさにその変革のスイッチ役を担ったのがフェレール・ボベではないでしょうか。

リコレリャ - プリオラートを象徴する特異な土壌

プリオラートのワインが世界で高く評価される理由のひとつが、この地域独特の「リコレリャ」と呼ばれる特性土壌にあります。

リコレリャは、黒く輝くスレート(粘板岩)と石英を含む風化した岩盤で、剥離性が高く岩片が豊富に含まれています。母岩は鉄やマグネシウムを含むケイ酸塩鉱物から成り、根はその隙間を縫うように地中深くまで伸びていきます。

この土壌は非常に水はけが良く、保水性に乏しいため、ブドウの木にとっては決して楽な環境ではありません。ですがこの厳しい環境こそが、自然と収量を抑え、高い凝縮感とミネラル感を備えたブドウを育て上げるのです。

収量は極めて少なくなりますが、その分一粒一粒にプリオラートらしい力強さと複雑味が宿る──まさに「リコレリャ」が生み出す、唯一無二のテロワールの恩恵です。