FORJAS DEL SALNÉS

フォルハス・デル・サルネス

スペイン / ガリシア州リアス・バイシャス

ガリシアの偉大な醸造家の血を継ぐ、小さな家族経営ワイナリー

フォルハス・デル・サルネスは、スペイン北西端ガリシア地方・D.O.リアス・バイシャスのバル・ド・サルネス地区に拠点を構える家族経営の小規模ワイナリーです。

祖父の代から受け継いだ、家の裏手の斜面とリアスの内湾に面した畑を所有しています。

ワイナリーを率いるオーナー醸造家ロドリゴ・メンデスは、近年のガリシアワインを語る上で欠かせない人物、故フランシスコ・メンデス・ラレドの孫にあたります。フランシスコは2001年に2つのボデガを立ち上げ、そのうち1つは高い評価を受ける白ワインの造り手として息子ヘラルドに継承。一方で、もう1つの「赤ワインだけに集中する」という、リアス・バイシャスでは異色のワイナリーをロドリゴへ託しました。

祖父から“ワイン造りの師”として多くを学んだロドリゴは、その意思を受け継ぎ、白ワインの名産地リアス・バイシャスであえて赤ワイン造りにも力を注いでいます。

リアス・バイシャスのブドウ栽培の95%以上はアルバリーニョですが、フォルハス・デル・サルネスはこの土地に古くから残る希少な赤品種——カイーニョ・ティント、ローレイロ・ティント、エスパデイロ・ティント——を守りながら、伝統とテロワールを映した個性的な赤ワインを生み出しています。

「白の名産地で、あえて赤を極める。」

その挑戦が、フォルハス・デル・サルネスを唯一無二の造り手として際立たせています。

醸造家ロドリゴ・メンデス氏。

樹齢200年以上の畑

サルネス地区カンバドスにある単一区画Finca Genoveva (フィンカ・ジェノベバ)。
ここは、樹齢180年~200年以上にもなるアルバリーニョやカイーニョが今も生き続ける、希少で歴史的価値の高い畑です。
この区画は、跡継ぎのいない老夫婦から譲り受けたもので、「次の世代にも残してほしい」という想いとともに受け継がれた畑。
大西洋からの風を受ける花崗岩質の土壌、伝統的な棚仕立て、古樹ならではの深い根。
古樹が持つエネルギーを純度高く映し出します。

樹齢200年以上の畑フィンカ・ジェノベバ

スペインの"天才醸造家"ラウル・ペレスとの出会い

リアス・バイシャスで休養中だったラウル・ペレスと、サルネス地区の栽培家兼醸造家ロドリゴ・メンデス。
2人は偶然の出会いから意気投合し、ワインの話は一気に深まっていきました。

ロドリゴは当時、ガリシアではまだ評価の低かった赤ワインの品質向上を目指しており、その助言を求めてラウル・ペレスにコンサルティングを依頼します。

するとラウルは、相談の答えとしてこう提案します。
「これほど素晴らしいアルバリーニョの畑があるのだから、白ワインも造るべきだ。」

その一言が、フォルハス・デル・サルネスを象徴する「Leirana(レイラーナ)」シリーズ誕生のきっかけとなりました。
さらにこの出会いは、後にラウル自身の名を世界に知らしめる伝説的白ワイン「Sketch(スケッチ)」の誕生にもつながります。この「スケッチ」がワイン評価本で絶賛され、一躍ガリシアのトップワインとして注目を浴びたことで、フォルハス・デル・サルネスもまた、リアス・バイシャスの最重要ワイナリーとして一気に脚光を浴びる存在となりました。