Bodegas Viñátigo

ボデガス・ビニャティゴ

スペイン/テネリフェ島(カナリア諸島)

カナリア諸島の固有品種の救世主

カナリア諸島のワインは、先駆的なワイン生産者達の取り組みにより、世界の注目を集めるようになる。その中でも1990年 にボデガス”ビニャティゴ”を創設したフアン・ヘスス・メンデスは特筆すべき存在だ。氏はテネリフェ島でブドウ栽培を営むメンデス家の4代目、科学者でもある。カナリア諸島の固有品種を絶滅の危機から救ったと称賛されると同時に、科学的見解も駆使しながら、諸島の多様な気候と地質条件に適したブドウ品種や栽培方法を開拓、その研究を共有したことで、カナリア諸島のワインの品質の飛躍的な向上に貢献している。

ボデガス・ビニャティゴは、テネリフェ島北部に広がる16Haの自社畑を所有。年間約15,000本を生産する家族経営のワイナリーだ。

醸造家フアン・ヘスス・メンデス・シベリオビニャティゴ創設者、ディレクター。メンデス家四代目として先祖から古木のブドウ畑を受け継ぐ。カナリア諸島のワイン生産者協会(AVIBO)会長。カナリアワインの公式辞典「Acerca del Canary Wine」監修。

父と息子、次世代へと続くワイン造り

”ビニャティゴ”はスペイン最高峰のテイデ山(3718m)がそびえるテネリフェ島の北側にあり「カナリア諸島の絶滅に瀕した固有品種と伝統の復興」というポリシーを30年かけて実現してきた。フアン・ヘススが、世界でワイン造りの研鑽を積んだ息子ホルヘを、2017年からワイナリーのブドウ栽培家兼醸造家に迎えたことで若く柔軟な感性が加わり、”ビニャティゴ”のワインの国際的な評価と知名度はますます上がっている。

ミネラル豊富な火山土壌で育まれた自根の固有品種は樹齢100年を超える。"ビニャティゴ"のワインは、北大西洋から吹く冷涼で湿った風アリシオスと、テイデ山の高標高とマグマの恩恵を享受したテロワールをそのままグラスに映し出す。ナチュラルで繊細な味わいの中に常にモダンと優雅が調和するそのエレガントな味わいは、「独自性や多様性」を求める世界的に名高いジャーナリストやソムリエたちを魅了している。

(左)父フアン・ヘスス、右)息子ホルヘ・メンデス。21歳から”ビニャティゴ”で父と共にワイン造りを開始。メンデス家5代目。アルゼンチン、チリ、ブルゴーニュなどさまざまな地域でワイン造りの研鑽を積んだ、将来を嘱望される若き ヴィニュロン。

自然とワイン文化の遺産に敬意を込めて持続可能な農法と畑

ボデガス・ビニャティゴの自社畑は、海抜160m~1,000mと様々な場所、土壌、標高の畑でカナリア諸島の固有品種を栽培している。それぞれの地区の区画ごとに収穫・醸造を行い、その土地ごとのテロワールと歴史をワインに映す。化学的な除草剤や殺虫剤を一切使わず、病害虫は自然由来の方法で対策している。科学的な深い見解のもと持続可能な栽培を行っている。

島は東京都と同じくらいの面積。東京都の中に富士山、その周りはすべて海、という状況を想像するとテネリフェ島の特別な地形が理解できる。3,700mを超えるテイデ山の影響で島の天気は変わりやすく、「亜熱帯気候」と一言でくくれない複雑さがある。

島の北部と南部、標高差で気温も降水量も大きく異なる。また、膨大な数の固有品種もあることから、収穫は7月下旬から11月まで続く。収穫は手摘みで、ブドウは潰れないように15kgの箱に入れられ醸造所まで運ばれる。ブドウは、ワイナリーに到着する際、-5℃から0℃で冷却され、二酸化硫黄の使用を避ける工夫をしている。醸造の際も発酵は野生酵母のみ使用。酸化防止剤はボトル詰めの前に極少量だけ使う。できる限り人為的な介入をしない、自然なワインづくりをしている。

「カナリア諸島はブドウ品種のジュラシックパーク」 

by Jorge MéndezDías

島の絶滅危惧種が高品質ブドウに変貌!

固有単一品種ワイン

カナリア諸島は大航海時代に補給地として栄え、様々なブドウ品種がヨーロッパ全域から持ち込まれ試験的に植えられた。現在80種以上のブドウ品種があり、そのうち約40種は世界のどこにもない希少なものだ。火山性土壌と、隔離された地形によりフィロキセラ禍から守られたカナリア諸島は、自根のブドウ畑のオアシスとして存在し続け、過去の遺産を大切に保存し、未来の発見を待ちわびている。
フアン・ヘススは30以上の研究と分析を活かしながら、これらの品種を再発見、保護、栽培してきた。これらはカナリア諸島のアイデンティティで、未来を築くものだ。”ビニャティゴ”の「バリエタレス・デ・カナリアス(カナリア諸島の品種)」シリーズは、自根の古樹の魅力を備えている。
これらの傑出したブドウに敬意を示し、単一品種ワインを通じてカナリア諸島の歴史、文化、そしてワイン造りの遺産を称えている。

樹齢120年以上、自根の古樹で造るシングルビンヤード

カナリア諸島のワイン文化を復興する”というビニャティゴの指針の一環として、2017年に「特選区画(パルセラス・シングラレス)」プロジェクトが誕生した。
このプロジェクトはテネリフェ島の息をのむような原風景とブドウ畑の背景にある、偉大なぶどう栽培家たちの苦労や情熱を大切に、カナリア諸島の壮大なワイン文化の遺産を守りながら、次世代に受け継ぐことを目指している。

区画マイペ(命がけの自根の畑)
北東にあるアナガ山塊は、島で最も古い3つの土壌の1つ(1100万年前)で、赤色玄武岩を含む粘土土壌が特徴。水はけが良く、根の深入りを保証する大小多くの石が存在している。通常の粘土土壌は濃厚で重たいワインになりがちだが、石のお陰でフレッシュなワインを生み出している。

この区画で造られるワイン:
VIÑÁTIGO MAIPÉ TAGANANA(ビニャティゴ・マイペ・タガナナ)白

区画 ラデラス・デ・テノ(テノの急斜面)
区画は北西に位置するテノ山塊の浸食された急斜面にあり、テネリフェで最も古い土壌(1100万年以上前)。粘土が玄武岩を含んだ石の豊富な生態系とバランスを取りながら共存している。

この区画で造られるワイン:
VIÑÁTIGO LADERAS DE TENO(ビニャティゴ・ラデラス・デ・テノ)赤

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