チャコリとは?美食の街・バスク生まれの”チャコリ”が注目される理由【おすすめ2選も紹介】

今、ワインラバーやプロの間で注目されているのが、スペイン北部バスク地方の地ワイン「チャコリ(Txakolí)」フレッシュで軽やか、低アルコールで飲みやすく、魚介料理や和食との相性も抜群です。ここでは、チャコリの魅力、産地、歴史的背景、そしておすすめのチャコリ「AITZALDE(アイツァルデ)」をご紹介します。

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チャコリとは?フレッシュさが魅力のバスク産ワイン


チャコリは、スペイン北部、フランスとの国境沿い地域のバスク州で造られる地ワインです。大西洋の海風を受けて育つ固有品種「オンダラビ・スリ(白ブドウ)」や「オンダラビ・ベルツァ(黒ブドウ)」から造られます。伝統的なスタイルのチャコリは微発泡でアルコール度数も低く、爽やかな香りと、口に含むと潮風を閉じ込めたようなミネラル感、そして心地よいプチプチとした泡が広がります。近年では、微発泡だけでなくスティルの白ワインや、樽熟成タイプ、さらには希少な赤ワインを手掛ける造り手も登場しています。


チャコリの歴史と復興

”チャコリ”の語源は、バスク語の”Etxeko ain(エチェコ・アイン)”「家にちょうどいい」から来ています。かつては農家の人たちが自分たちで消費するために造られた地元消費中心の地酒でした。14世紀からブドウの栽培に関する記録が存在しますが、その最盛期は18世紀から19世紀初頭にかけてです。この時代、地元のワインに対する強い保護政策により、輸入ワインのコストが高かったため、ブドウ畑の拡大が促進されました。しかし、19世紀末から保護貿易法の段階的な廃止により外国産ワインの流入が増加し、フィロキセラというブドウの病害など様々な要因によって、チャコリは20世紀の初めほとんど衰退していました。当時の工業化も大きな影響を与え、農村人口が徐々に大都市圏へ移住する傾向が強まりました。チャコリの復活は、1980年代のD.O.認定を機に、醸造設備の近代化、選果基準の厳格化が進み、世界市場に通用する品質へと進化しました。現在では、伝統的な微発泡の白ワイン、ロゼワインに加えて、地域によっては炭酸のないチャコリや、樽熟成、シュール・リー製法、スパークリングワイン、甘口チャコリ、ベルモットも造られていて、伝統を尊重しつつも独創的なアイデアは世界で唯一無二のチャコリワインを生み出しています。


バスク地方の特性

バスク州は、スペイン北部の大西洋沿岸からピレネー山脈にかけて広がる自治州で、海・山・川が揃う豊かな自然に恵まれています。
この地域は古くから独自の文化・言語(バスク語)を持ち、食文化もその一つ。特にバスク州ギプスコア県の都"サン・セバスティアン(バスク語でドノスティア)”は、世界有数の美食の街として知られます。

その理由は3つあります。

1.世界的なレストラン密度の高さ

サン・セバスティアンとその近郊には一ツ星から三ツ星まで含めて18軒ものミシュラン星付きレストランがあり、人口わずか18万弱の小都市の人口比でミシュラン星付きレストランの数が世界一です。三ツ星レストラン「アルサック」「マルティン・ベラサテキ」など名店が集結。

.独自の食文化を遂げてきたバスク

地元のバルで提供される小皿料理「ピンチョス」は、地元食材を使った創意工夫の宝庫。チャコリとの相性も抜群です。
また、美食倶楽部”ソシエダ・ガストロノミカ(バスク語で〈TXOKO(チョコ〉)”という会員制の食堂があります。その食堂には厨房がついており、料理好き・食べるのが大好きな会員たちが自分たちで料理をし、集まって食事を楽しみます。

3.豊かな食材と生産者文化

ビスケー湾の新鮮な魚介、内陸の肉や野菜、伝統製法のチーズや保存食。地元の市場は常に活気に溢れています。

バスクの人々は、食事をただの栄養補給ではなく、人生の喜びそのものとして大切にしており、チャコリはその食文化を支える象徴的な存在です。


主要ブドウ品種

オンダラビ・スリ(Hondarrabi Zuri)
白ブドウ。「オンダラビ」はスペイン・ギプスコア県の町「オンダリビア(Hondarribia)」に由来するとも言われています。「スリ」はバスク語で「白い」を意味します。つまり、直訳すると「オンダリビアの白ブドウ」という意味になります。房や実が小さく、柑橘類、ハーブ、花の香りが特徴です。

オンダラビ・ベルツァ(Hondarrabi Beltza)
黒ブドウ。「ベルツァ」はバスク語で「黒い」を意味し、直訳すると「オンダリビアの黒ブドウ」という意味です。
果皮は厚く、青黒色を帯びており、果肉は色味が薄く酸味が強い特徴があります。これにより、骨格はしっかりしていますがアルコール度数が低く、一般的に酸味が強いワインが生まれます。


チャコリの3つの原産地呼称(D.O.)

チャコリは、スペイン・バスク州にある3つの原産地呼称で造られています。それぞれの産地に個性があり、味わいやスタイルに違いがあります。

1. D.O. ゲタリアコ・チャコリーナ(Getariako Txakolina)


バスク州ギプスコア県に位置する、最も古く(1989年認定)、伝統的なチャコリの産地。
海沿いの町・ゲタリアを中心に、急斜面の畑で潮風を浴びて育つブドウから造られます。微発泡で、ミネラル感と爽やかな酸味が特徴的。「エスカンシア(高い位置から注ぐ)」という注ぎ方もこの地域の伝統です。
AITZALDEはこのD.O.で造られています。

2. D.O. ビスカイコ・チャコリーナ(D.O. Bizkaiko Txakolina)



ビルバオを中心としたビスカヤ県のチャコリ産地。認定は1994年。内陸寄りの畑も多く、気候が比較的穏やかで、果実味やふくよかさが出やすいのが特徴です。白ワインだけでなく、ロゼや赤のチャコリの生産も見られるようになっています。現代的な醸造スタイルを取り入れる生産者も多く、個性的なチャコリに出会えます。

3. D.O. アラバコ・チャコリーナ(D.O. Arabako Txakolina)



バスク内陸部のアラバ県(リオハ・アラベサに近い地域)に位置する最も新しいD.O.(2001年認定)。標高が高く、昼夜の寒暖差があることから、酸とアロマがしっかりと感じられるスタイルが多く、白ワインとしてのポテンシャルが高いと注目されています。生産量は少なめですが、品質志向の造り手が多く、今後の展開が楽しみな地域です。


チャコリの伝統的な楽しみ方「エスカンシア」


チャコリは高い位置からグラスに注ぐ「エスカンシア」と呼ばれるスタイルで提供されるのが伝統です。これは、空気と触れ合わせることで、酸味をまろやかにし、香りを引き立たせるための工夫です。ご自宅でも、瓶を少し高い位置から注ぐだけで、香りがふわっと広がり、よりフレッシュに楽しめます。

エスカンシアしてみよう!

アイツァルデは全ライナップでエスカンシア対応のコルク形状です。


準備(温度):6〜8℃に冷やします。よく冷えているほど泡がきれいに立ち、酸がシャープに感じられます。

②抜栓とコルク差し:抜栓後、専用形状のコルクをボトル口に再度差し込み、注ぎ口を作ります(アイツァルデは全ラインナップ対応)。

③高さをとる:ボトルを肩の高さ〜頭の下あたり、グラスは腰〜胸の高さに持ち、30〜40cmの高低差をつけます。(グラスを置いたままでも注げます。)

④勢いよく注ぐ:赤丸のくぼみ(注ぎ口)から、細い糸のように一気に注ぎます。空気と触れ合い、香りが開いて酸の角が取れます。

⑤注ぐ量は少なめに:1回につき70〜90ml程度。泡とアロマが持続するうちに飲み切るのがコツ。

グラス形状:幅の広いタンブラーグラスや白ワイングラスがおすすめです。


チャコリのおすすめペアリング

・生牡蠣、白身魚のカルパッチョ
 キリッとした酸とミネラルが磯の旨味を引き立てます。
 レモンを軽く絞って。

・揚げ物(天ぷら、魚のフリット)
 微発泡の爽快感が油を洗い流し、後味クリーン。
 塩でシンプルに。

・寿司、酢の物やマリネ
 酢由来の酸味とワインの酸が同調。
 白身・甲殻類・イカと好相性。

海の近くで生まれたワインだけあって、魚介料理との相性は抜群です!


今注目のチャコリ【AITZALDE(アイツァルデ)】シリーズ

SARA CORPORATIONが取り扱う「AITZALDE(アイツァルデ)」は、バスク語で「岩場の地」という意味。大西洋を望む急斜面の畑で育つブドウから造られる伝統的な微発泡のチャコリです。

おすすめチャコリ①【白ワイン】

アイツァルデ・ブランコ2024年

品種:オンダラビ・スリ95%、オンダラビ・ベルツァ5%

目の前に広がるビスケー湾から吹き込む潮風を浴び、海のミネラルたっぷり、レモンを想わせる爽やかな酸味、プチプチとした微発泡をお楽しみください。

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おすすめチャコリ②【ロゼワイン】

アイツァルデ・ロゼ2024年

品種:オンダラビ・スリ50%、オンダラビ・ベルツァ50%

チャーミングで活き活きとした赤系果実とミネラルの香り。フレッシュなベリーと酸味とのバランスが絶妙で、甘酸っぱい果実味が口いっぱいに広がります。微発泡タイプのチャコリです。

チャコリといえば、そのほとんどが白ワイン。実際、D.O.ゲタリアコ・チャコリーナの生産の約95%は白ブドウ「オンダラビ・スリ」によるものです。そのため、黒ブドウ「オンダラビ・ベルツァ」を主体とするロゼのチャコリは珍しく、現地でも限られた生産者しか造っていません。

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